本記事は、
例文・フレーズ暗記をするとなぜ英会話の負担が減るの?
例文・フレーズ暗記におすすめの書籍は?
といったことを知りたい方向けに書いています。
英会話では、頭の中で大きく次の3ステップを経ます。
①日本語で話したいことを思考する
②頭の中で英語を組み立てる
③英語を口に出す
普段日本語に慣れている我々にとっては、この3ステップのうち、「②頭の中で英語を組み立てる」プロセスが最も疲れる作業ではないでしょうか。
筆者自身、仕事で何度も英会話をする機会がありますが、自分が話すすべての内容について「②頭の中で英語を組み立てる」を行うのはしんどいです。
そこ登場するのが、例文暗記・フレーズ暗記です。最大のメリットは、「頭の中で英語を組み立てる」プロセスを一部スキップできることです。
一つの例として、次の日本語を英語にするとします。
「ミーティングを始める前に、資料を確認させてください。」
仮に、例文・フレーズ暗記で
「~の前に」を「Before doing」
「私に~をさせてください」を「Let me do ~」
と覚えていれば、英語を頭の中で組み立てなくても、最低限の単語知識により以下の文章ができあがります。
Before starting meeting, let me check the meeting material.
この思考プロセスであれば、ほとんど頭の中で考えていないのでラクですし、この次に言いたいことについて、頭の中で英語を組み立てておく余裕が生まれます。
今回の記事では様々な例文・フレーズ暗記関連の書籍を試した筆者が「実際の英会話でよく活用できた!」と思う書籍を厳選して3つ(+1つ※2021年10月追記)紹介します。
なお、「②頭の中で英語を組み立てる」力も非常に重要で、瞬間英作文が効果的な学習方法であると私は感じています。
瞬間英作文のおすすめの書籍を次の記事にまとめていますので、良ければ併せてご覧ください。
例文・フレーズ暗記のためのおすすめ書籍3選
起きてから寝るまでに使う英語を一通り学ぶ『話したい人のための丸ごと覚える厳選英文100』
日本にいながらにして英語を話すようになるためには、日常意識的に英語を使うことが重要になります。
本書は、社会人の1日をテーマに、朝から晩までを想定した100の例文が掲載されています。
例文1つあたり2つのフレーズが含まれています。そして、それぞれのフレーズについて、会話で使う場合に気を付けたいポイントが解説されています。
本書のおすすめポイントをまとめます。
100の例文全体が社会人の1日のストーリーとしてつながっている:
日常生活に即しており、飽きずに読み進めることができる
例文・フレーズに対する解説が秀逸かつ簡潔である:
「会話で使うときにはどういう意識で使うか」や「このフレーズはどういうニュアンスの表現なのか」を知ることができるため、実践で使いやすい
厳選英文100というタイトルのとおりコンパクト:
何度も繰り返し学習でき、慣れれば1日で一通り復習することもできる
また、紙の書籍であれば見開き1ページに情報が集約されていることも特徴です。参考までに筆者の写真をシェアします。
しゃべり出しの表現に特化して学ぶ『最低限の単語力でもてっとりばやく英語が話せる』
タイトルが若干うさん臭いと私は感じたのですが、良書です。
日本人がなかなか英語が話せないのは、「しゃべりだし」のフレーズを知らないことが原因の1つであるという課題意識から本書は書かれています。
ここでの「しゃべりだし」のフレーズとは、あくまで英語のしゃべりだしのことです。
例えば「そういえばさあ:I was wondering ~?」みたいなフレーズや、「~しても大丈夫?:Is it okay to do~」のような表現が該当します。
本書では実践的なフレーズの紹介はもちろん、それぞれのフレーズがどういうニュアンスを持っているのかの解説もなされています。
本書のおすすめポイントをまとめます。
最初の一言に特化したフレーズ集である:
英語の「しゃべりだし」表現のレパートリーを増やすことができる
掲載されているフレーズに対する解説が秀逸である:
フレーズのニュアンスや他の表現との違いについても踏み込んで書かれており、実際の英会話で使いやすい
合計60のフレーズが紹介されている:
分量が比較的少ないため繰り返し学習がしやすい
1つのフレーズに対して6つの例文が紹介されている:
自分が英会話で使いそうな例文を選んで学習ができる
本書も、紙の書籍であれば見開き1ページに情報が集約されていることも特徴です。参考までに筆者の写真をシェアします。
単語・熟語を併せて学ぶ『DUO 3.0』
大学受験でもよく受験生に使用されるため、既に学習経験がおありの方もいらっしゃるかもしれません。
単語帳としての使い方が一般的ですが、例文・フレーズ暗記という観点で私は大いに活用させていただいたため、掲載しています。
語彙レベルとしては、TOEICで600~780、英検では準1級レベルとされており、それなりの単語・熟語が含まれています。
本書のおすすめポイントをまとめます。
複数の単語が1つの例文中に散りばめられている:
例文を覚えることで自動的に重要な単語・熟語も暗記できる
掲載されている単語レベルが中上級レベルまで対応している:
日常使いそうな語彙をだいたいおさえることができる
合計560の例文と分量が多いので、繰り返し行うには根気が要りますが、得られるメリットも莫大です。
私はDUOのCDも併用していました。せっかくこれだけの分量の例文を学ぶのであれば、音声も一緒に抑えておいた方がよいです。
基礎用と復習用の2パターンがありますが、単に「音がわかればよい」という方は、復習用で問題ないと思います。
ちなみに、DUOのCDには附属品として例文を集約した小型サイズの本がついてきます。これが結構使えます。
会話のフローに特化してフレーズを覚える『英会話 話を組み立てるパワーフレーズ(トレーニング編)』
こちらの書籍は、私が留学後の実感として非常に効果的だったことから、10月の記事更新で追加しました。
私は現在(2021年10月)アメリカ留学中ですが、大学の教授と話している最中でも、現地の役所に電話したときにもここに出ている表現を聞きました。
『1億人の英文法』でおなじみの大西先生とポール・マクベイ先生の書かれた書籍で、講義編とトレーニング編に分かれています。フレーズ暗記に特化した反復練習がしたい場合はトレーニング編がおすすめです。
内容は著者が担当したNHKラジオ英会話の内容1年分をまとめたもので、講義編は全192レッスンにダイアローグと大西先生の解説がついており、トレーニング編には講義編で取り上げられたレッスン毎のKey Sentence×1つに加えて応用例文×3つが解説付きで掲載されています。
この本のコンセプトは「フローを意識して会話の台本を習得する」であり、英会話において「1文1文は何とか作れるけれど複数の文章をつなげて話を展開するのに苦労している英語学習者」には特に、学びの多い表現やTipsが満載です。
NHK出版の語学プレーヤーのスマホアプリで音声もすぐに聞けるのでその点も良いです。
この本の唯一の懸念が、著者の大西先生やポール・マクベイ先生がどちらかというとイギリス英語だと言うことでした。ただ、私のような素人に毛の生えたレベルの学習者にとっては問題にはならなかったです。アメリカでもガンガンに使えています!
もしトレーニング編を実施してみて「どういう意図でこの表現を使っているのか」といったことに疑問が生じた場合には講義編を参照することもおススメです。私は辞書代わりに使っていました。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
4種類の異なる例文暗記・フレーズ暗記のおすすめ書籍を紹介させていただきました。
個人的には、例文暗記・フレーズ暗記とシャドーイングは両立できる勉強法なので、この2つを組み合わせるとさらに効率的な学習ができると思っています。
シャドーイングが苦手という方向けに下の記事を書いていますので、興味のある方はこちらも併せてみていただければ嬉しいです。