スキル独学部屋

コンサルがジョブズのプレゼンから学んだこと:『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』レビュー

今回は書籍の紹介をします。

それは『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』です。

筆者が初めて本書を読んだのは大学生のときでした。私が大学生だった2007年は、初代iPhoneの発表があり、意識の高い大学生がこぞってiPhoneを使い始めた時期です。

そして、それと同時にスティーブ・ジョブズという人物や、彼の製品発表のプレゼンに注目が集まり始めた時期でもあります。

当時、私もご多分に漏れず、ジョブズのプレゼンを食い入るように見て、何かを学びたいと考えていました。

そんな中、今回紹介させていただくジョブズのプレゼンのエッセンスをまとめた書籍『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン』が発売されたのです。

 

ジョブズというと、皆さんはどんな印象をお持ちでしょうか。

変人・天才というのが世間一般からの見方なのかもしれません。

それ故に、スティーブ・ジョブズのプレゼンは「一般の感覚からはズレており、むしろ真似するべきものではない」と思われている方すらいらっしゃるかもしれません。

しかし、ジョブズがプレゼンで人の心を感動させていたことは事実です。それがあまりにも芸術的なので、論理的な説明が難しいのだと私は思います。

今回紹介させていただく書籍『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン』の特筆すべき点は、ジョブズのプレゼンにおいて何が優れているかを、極めて論理的に18のエッセンスに落とし込んでいることです。

今回は、10年前に本書を読み、紆余曲折を経て現在コンサルとして頻繁にプレゼンテーションをする私が、本書から学んで以来意識していることを3つ紹介させていただきます。

コンサルの筆者が未だに意識すること3つ

いきなりプレゼンを作り出さない

「1週間後にある特定のテーマについてプレゼンをする必要がある」といったとき、当時大学生の私はいきなりパワポを立ち上げて資料作りを始めていました。

しかし、それは間違いでした。

(本書の言葉を借りれば)プレゼンを作り始めるときは、全体のストーリー・筋書きを作り、聞き手に伝えたいことを明確化することこそまず行うべきことでした。

全体のストーリーを作らないと個別のスライドなど作れないからです。作れたとしても何を伝えたいプレゼンかわからなくなります。

私は本書を読んで以来、プレゼン発表の準備では未だにボールペンとノートでラフにスケッチをして考えをまとめたり、同僚や身内に構想しているストーリーを話してフィードバックを得たりしています。

このブログも一応基本的に構想はマインドマップでまとめて、妻に話してフィードバックをもらってから公開しています。

また例えばYouTubeのような動画制作の世界でも、いきなり動画を作り出すのではなく、まず企画や絵コンテ作りから入るのが通常ではないでしょうか。

「相手に何かを伝えるためのコンテンツを作るときには、まずアイデアや構想をまとめてストーリーをつくる」

考えてみれば基本的なことなのかもしれませんが、焦っているときほど見落としがちなことだと私は思います。

数字に意味を持たせる

「数字に意味を持たせる」目的は、人の興味をそそり、自分事としてプレゼンを聞いてもらうためです。

具体的な例として、本書では「30ギガバイトの記憶容量」という数字をあげています。

このままだと単なるスペック情報であり、どういう意味を持つかを瞬時にわかる人は(少なくとも当時は)多くありません。

そこで、30ギガバイトの記憶容量に対して「音楽なら7,500曲」「写真なら2万5,000枚」と付加的な説明をするのです。

当たり前のように感じるかもしれませんが、iPhoneを手にする人が何を求めているか(外出時にも音楽や写真を楽しみたい)にポイントをあて、その数字を説明していることが特徴です。

まとめれば、数字に意味を持たせるためには、「ユーザーが何を求めているか?」そして「そのためにどう数字を見せればいいか?」という2ステップを経る必要があるということだと私は解釈しています。

台本を必ずつくる(でも、最後は捨てる)

「台本のないプレゼンはプレゼンではない」

筆者が最初にプレゼンでダメ出しを食らった先生から言われた言葉です。

今回紹介している本書でも、台本の重要性やリハーサルの重要性が、繰り返し書かれています。筆者も未だに、重要なプレゼンでは台本をきっちり作り、何度もセルフリハーサルをするようにしています。

ただし、本書ではこうも書いてあります。

「最後は台本を捨て、そしてプレゼンを楽しむこと」

これは、台本はあくまで練習用として使い倒すためのもので、本番では会場の聞き手の反応に合わせて自分の言葉でしゃべろう、という意味だと解釈しています。

本書では、台本を捨ててプレゼンを楽しむためにやるべきことを5ステップに分けて記載しています。私も本書のステップを参考に、少しアレンジして使っています。

おわりに

いかがでしょうか。

自戒の念も込めて、10年前に読んだ本を引っ張り出して、改めて中身を整理してみました。

今回の記事では、本書で記載されているエッセンスを3つピックアップして紹介しました。

いずれも小手先のテクニックなどではなく「準備を突き詰めよ」という本質的なメッセージが含まれていると筆者は思いました。

本書は計18のエッセンスから成り立っていますが、個人的にはすべてを取り入れる必要はなく、自分が少し工夫できれば取り入れられそうだと思うものから試してみることがおススメです。

皆様もよかったら手に取ってみてください。

(おわり)

 

 

ABOUT ME
けにひにブログの男さん
大学在学中に国家一種試験にパスするも民間コンサルに就職。現在は社会人留学中で在米。自分が経験して「これは良かった!」「これは失敗だった!」と思うものを正直にシェアしたいと思い30歳でブログを始める。生涯学習や海外情報をまとめていきます。

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