スキル独学部屋

就活生は必見:現役コンサルによるフェルミ推定とコンサルの超初歩的な話

読んでいただきたい方:

  • 簡単なフェルミ推定の思考プロセスを知りたい方
  • フェルミ推定がコンサルの現場でどう使われているか興味のある方

本記事の概要:

コンサルタントの筆者が家族との話を基にしたフェルミ推定の考え方の紹介や、コンサル実務での使われ方について、超初歩的に解説

なお、本記事で「感染症」というワードがでてきますが、実際の家族での日常会話を再現しただけであり、特定の感染症に対する意見は含んでおりません。本記事の目的はあくまで身近な事例で、フェルミ推定のイメージを掴んでいただくことであることにご留意ください。

フェルミ推定とは

フェルミ推定は、wikipediaによれば「実際に調査することが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することとされています。

本記事では、身近な事例として東京の人口推定の筆者なりの方法を紹介させていただき、フェルミ推定のイメージやコンサルになぜフェルミ推定が求められるかのイメージを知っていただければ幸いです。

東京の人口は実際に調査されており、フェルミ推定の定義とされている「実際に調査することが難しいような量」ではありませんが、ここではあくまでわかりやすい事例として取り上げています。

東京の人口は何人か

家族での日常の会話編

東京の人口は何人か?読者の皆様ならどう考えますか?筆者はコンサル会社で勤務するコンサルタントですが、先日家族とこんな会話をしていました。

最近また感染症がぶり返して、一日1,000人のペースで新規感染が確認されているみたいだね
1,000人クラスの新規感染が3カ月くらい続いたら、東京の人のどれくらいの割合が感染することになるんだろうね
そもそも東京の人口って何人くらいいるんだろうね

この後、筆者は東京の人口を頭の中で計算することになりました。

筆者なりの東京人口の推定方法

与条件として日本国民が1億2,000万人いるとして、日本が大まかに北海道・東北・関東・近畿・四国・中国・九州の7つのエリアにわけられるとします。

関東や近畿、九州は他の地域よりも人口が多いでしょうから、重みづけとして北海道:1、東北:1、関東:3、近畿:3、四国:1、中国:1、九州:2とすると、日本の人口の12分の3が関東に割り当てられるのではないかと推測できます。

そして、関東の人口の内訳を大まかに東京:2、埼玉:1、神奈川:1、千葉:1、その他地域:1とすると、6分の2が東京にいるのではないかと推測できます。そして、日本全体の人口から、東京の人口を計算する式が出てきます。

1億2,000人(日本全体)
× 3/12(関東)
÷ 2/6(東京)
= 1,000万人

実際には1億2,000万人をキレイに割り算したかったという思惑もありますが、グーグル先生に東京の人口を聞いてみると「927.3万人」という数字で、概ね合っていました。(なお、総務省統計局の令和元年推計人口データにおいて、東京都の人口は1392.1万人でした:筆者調べ)

結局、仮に3カ月同じ状況が続くと、1,000人×100日=10万人が感染する計算なので、10万人/1000万人=東京の1%くらいなんだねという結論にいたりました。

このような推定方法は一般にフェルミ推定と呼ばれるものに似ています。よくコンサル会社入社のケーススタディで問われるようですが、実際の現場ではどう使われているのか、少し振り返って考えてみました。

フェルミ推定とコンサルの話

コンサルの仕事の基本的な流れ

コンサルは基本的に、顧客からの依頼を基にしたプロジェクト単位で仕事が動きます。

依頼内容は様々ですが、典型的な業務であれば、仮説構築→リサーチ→仮説検証→結論のようなプロセスを経ます。もちろん、各項目が行ったり来たりすることもありますし、順序が逆になることもあります。

コンサルの仕事でフェルミ推定を使う一例

フェルミ推定の考え方は、プロジェクトの計画をたてる段階からすでに使用しています。

コンサルは何かしらの製品を売る仕事ではなく、あくまで成果イメージは顧客との合意で決まりますので、顧客と合意した成果イメージに到達するために実施すべきこともプロジェクトにより異なります。

そのため、プロジェクト毎に成果イメージをゴールとして、トップダウン的に作業計画や費用見積もりを立てる必要が出てくるのですが、その際、フェルミ推定的な考えを活用しています。具体的な例として、以下を定量的に考える必要があります。

  • どの分野にどの程度のリサーチが必要で、必要なマンパワーはどの程度なのか
  • 仮説検証サイクルをどの程度回す必要があるのか
  • アウトプットの修正にどれだけのバッファーを見積もるか

これはまさに「捉えどころのない量(作業の見積もり量)」を「いくつかの手がかり(成果イメージやこれまでの経験)」を基に推測することであるといえます。

なお、計画構築時のフェルミ推定はあくまで一例であり、プロジェクト開始後もしょっちゅう「捉えどころのない量」が発生し、それに対して何等かの答えをだし、妥当といえるための論理構築をする必要があります。

コンサルに限った話ではない

本記事では、フェルミ推定とコンサルの話を関連付けましたが、このようなフェルミ推定は何もコンサルに限った話ではなく、さらに言えばビジネスに限った話でもありません。

広く定義すれば「不明確なものを見通すための基礎力」とでも言えるかもしれません。最初の日常会話の事例にもあるように、すべての方が持っていて有益な考え方だと思います。

私が学生のときに読ませていただき、最初にフェルミ推定を知ったのは以下の書籍でしたので参考までに紹介させていただきます。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回は超初歩向けにフェルミ推定をわかりやすく、日常やコンサルとの関係を軸に説明させていただきました。

何か1つでも皆さまに気づきがありましたら幸いです。

 

 

ABOUT ME
けにひにブログの男さん
大学在学中に国家一種試験にパスするも民間コンサルに就職。現在は社会人留学中で在米。自分が経験して「これは良かった!」「これは失敗だった!」と思うものを正直にシェアしたいと思い30歳でブログを始める。生涯学習や海外情報をまとめていきます。

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